7月
2025年
悲しみや困難もプラスに
大切な人をなくしたとき、あなたの支えになるものは何ですか
私事ですが、亡くなった主人についてお話させていただきます。
私が主人と出会ったのは、私がご信心から離れていた時期でした。
そして、私が再びご信心をするようになった際も、私が信心をするのはよいが、自分には勧めないでほしいと言っていました。
そんななか、主人にガンが見つかりました。
すい臓ガンで肝臓などにも転移していたので、主人は手術を望みましたが、手術をすることはできず、抗ガン剤治療で経過をみていました。
病気が見つかって以来、御法様のご加護を頂きたく、入信を勧めましたが、公務員という立場もあって、なかなか承諾してもらえませんでした。
その間、横浜地区の地区長さんをはじめ、ご信者の皆さんには、ご祈願をあげて頂いたり、主人が本部参詣の際には大変良くして頂きました。
その甲斐あってか、亡くなる2カ月くらい前に、病室で「ご信心をしない?」と聴くと、「うん」とうなずいてくれました。
そして、1年8カ月の闘病後、残念ながら亡くなりました。
難しい病気でしたので結果は覚悟していましたが、主人が亡くなってしばらくは食事も喉を通らず、仕事にも行くことができませんでした。
しかし、仕事を休めば、誰かが私の分をやらなければなりません。
何より、主人がいない分、子どもたちのために頑張らなければと思い、1カ月足らずで仕事に復帰。本部にも4カ月後にはお参詣できるようになりました。
今思いますと、病気宣告の際「余命6カ月」と言われていたのに、1年8カ月の時間を頂きました。
病気を考えると、苦しんだりひどくやせたりすることもある筈でしたが、そのような症状は一切ありませんでした。
これは、短い間でしたが、本当に御法様のお護りを頂いたからだと思います。
法華経の最終章「普賢品」に、4つのご利益・心構えが説かれています。
第一に、仏さまのご加護をいただく。
第二に、教えに従い人格が向上する。
第三に、善い仲間に出会える。
第四に、周りの人を助けたい、幸せにしたいという仏さまの慈悲の心を持てる。
ご奉公をさせて頂きながら、このことを日々に実感しながら心がけ努力しています。
日蓮御聖人は『妙心尼御前御返事』というお手紙に、
「病ある人は、仏に成る」という経文を引いて「人は病気になったとき、信仰を求める心が湧き起こるものだ」とおっしゃっています。
本当にこの御文の通りだなと思います。
大切な人の病気や死は、とてもつらいことです。
主人を亡くしたことは、時間をかけて心の痛みをやわらげたいと思い、前向きにご信心を続け人生を歩んでいきたいと思います。
悲しい中にも、主人をお題目で送れたことは、何よりの安堵です。自分自身のご信心の随喜にも似た思いです。
私もいつか、同じお題目で送って頂けると思えば、来世の旅へ安心して向かえます。
人生の困難や悲しみも、それをプラスにしていくご信心をこれからも続けていこうと思います。
お互い様に、困った時、苦しい時は、助け合い励まし合って、ご信心に励んでいきましょう。