10月
2026年
お題目を心の師として
現証ご利益の原点に学ぶ、お題目を心の師とする生き方を見つめてみましょう
4月29日、浄風会館大阪で「女性の集い懇親会」が開催されました。
そのなかで、「皆さんが体験した現証ご利益」について、グループごとに語り合っていただく時間がありました。
どのグループでも現証ご利益談に花が咲き、会場は喜びの熱気に包まれていました。その様子に私も圧倒され、あらためて、浄風会のご信心の原点、そして情熱の原点は、現証ご利益にあることを強く実感いたしました。
当会は昭和初期の草創期、大きく教勢を発展させました。その原動力となったのも、まさに現証ご利益でした。当時は結核をはじめ、不治の病とされた病気も多く、医師から見放された方々が、藁にもすがる思いで入信され、ご祈願とお助行を重ね、現証ご利益をいただかれた事例が数多くありました。
近年は、科学や医療の進歩によって、病気平癒という形での現証ご利益を語る機会は少なくなったといわれます。しかし、先日の女性の集いでは、そのような時代の変化を感じさせることはまったくありませんでした。
私は、ご利益をよくいただかれる方には、いくつかの共通点があるように感じています。
一つは、物事を前向きに受け止める姿勢です。どれほど厳しい状況であっても、「これは御法様からいただいた試練であり、必ずご信心で乗り越えられる」と受け止める方です。
もう一つは、お給仕の志が篤いことです。御法様に対するすなおな心をもち、御宝前のお給仕を日々心を込めて丁寧に勤めておられる方は、現証ご利益
をいただかれることが本当に多いように思います。
ところで、自己啓発の世界では「引き寄せの法則」という考え方があります。これは、前向きな心をもって生きる人には良い出来事が集まり、反対に否定的な心でいると、悪い出来事を招きやすいという考え方です。「笑う門には福来る」「類は友を呼ぶ」と、日本でも古くから似た考え方があります。
近年では、この考え方を量子力学の視点から説明しようとする人もいます。感情はエネルギーであり、似た性質のものを引き寄せるという考え方です。
もちろん、私たちのご信心は、このような理論に依拠するものではありません。しかし、前向きな心の在りようが人生を好転させるという点では、通じる部分があるのかもしれません。
当会では、お題目によって自らの心を正しく導いていくと説きます。ここで大切なのは、発想を180度転換することです。多くの人は、まず「自分」があって、「お題目」があると考えます。しかし、ご信心ではその逆です。まずお題目があり、そのお題目のなかで自分が生かされている。このように受け止めることが大切です。
先師のご指南には、お題目をお唱えするときは、自分の心と身体を「厨子」のようにし、そのなかにお題目をお迎えする思いで唱えなさい、とあります。
このことを日扇大徳はお教歌に、
〽題目になってしまえばおのが身は そこで本化の菩薩なりけり
と詠よまれています。
私たちは、ともすると自分の思いや感情に振り回されます。しかし、その心を頼りにするのでなく、お題目を心の師として、お題目を中心に生きる。お互いにこうしたご信心を心掛けてまいりましょう。