今月の教え

11

2025

個性を大切にしよう

法華経に「三草二木の譬え」があります。今を生きる私たちには、この譬えから何を学べばよいのでしょうか。

私は、朝と晩、犬の散歩を日課にしております。ですから、毎日登校中の小学生たちと、すれ違います。多くの子供たちと、
「おはようございます!」そう挨拶を交わすことから1日がスタートいたします。たいへん、気持ちが良いです。

そんな子供たちの後ろ姿を見ていまして、自分の小学生時代、つまり「昭和」という時代の小学生と、「令和」の今の小学生と、大きな違いが1つあるなぁと、感じることがありました。

皆さん、なんだと思われますでしょうか? ヒントは「後ろ姿」です。皆さんの中にも、感じておられる方が居ると思いますが、答えは「ランドセル」です。

私が小学生の時は、「男の子は黒。女の子は赤」でした。皆さん、いかがでしょうか? たまに、クラスに1人くらい、他の色のランドセル、たとえば男であれば「紺色」とか、女の子であれば「ピンク色」というような、そういう違う色のランドセルを背負っている子は居ました。

すると、「なんだ、アイツだけ違うぞ?…」と、何か異質なものを見るような、そういう雰囲気が、あったような記憶があります。

しかし、最近の子供たちを見ていますと、まったく違うなぁと思うんです。本当に、いろいろな色のランドセルを背負っています。
赤、黒という伝統的な色も勿論ですけれども、それ以外にも「茶色」ですとか、「薄紫」ですとか、また「水色」ですとか、とてもカラフルなんです。

そう考えますと、昭和生まれのわれわれとは違って、いまは画一化されていない、一人ひとりの「好み」や「違い」を認め合う、そういう世の中になってきているんだなぁ、そういう印象をもちました。

このような、いろいろなものを認め合うことを多様性というんですね。

英語では「ダイバーシティ」と言います。この言葉も時々耳にします。お互いの違いを認め合える、ダイバーシティを重視した、そういう良い世の中に確実になっている、素晴らしいことだなぁ、そう思いました。

しかし皆さん、この「一人ひとりは皆違うんだ」という、この考えは、じつは法華経の中にもあるんです。皆さん、おわかりでしょうか。
法華経の薬草喩品の、「三草二木の喩え」がそうなんです。

この「三草二木」とは何かといいますと、まず「三草」は三種類の草(大きな草・中くらいの草・小さな草)の三つのことで、「二木」は大きな木と、小さな木(大樹と小樹)のことです。簡単に言いますと、三草二木は「さまざまな植物」という意味です。

世の中には、さまざまな植物があります。それらは皆、雨の恵みを平等に受けます。つまり、恵みとなる「雨」は、大きな木にも、小さな草にも、平等に降り注がれます。

けれども、その雨を受けて育つ三草二木は、それぞれみんな違う大きさになり、それぞれ別の花を咲かせるんだ、そういうことです。

ということは、みんな等しくお釈迦様の教えを受けても、人はそれぞれ資質が異なるので、人々の受け取り方はさまざまで、決して「画一的ではない」、「みんなそれぞれの花を咲かせるんだ」ということなんです。そういうことが法華経に書かれているんです。

「しかし」、なんです。三草二木の喩えの、ここをよく間違える方がいますので、注意が必要です。

つまり、「みんなそれぞれ、資質が違うんだから、それぞれが『バラバラで良いんだ』、『違いがあって、それでいいんだ』、それが三草二木の教えなんだ」、そう考えてはいけないんです。じつは、それだけでは、まだ途中なんです。

どういうことか、その理由を申し上げましょう。

この三草二木の喩えは、いま言いました、「三草二木、みんなそれぞれ違うんだ」という、教えを聞く側それぞれの宗教的素質・能力は違うという面のほかに、もうひとつ大切な点があるんです。

それは、「ではなぜ仏様は、法華経を説かれる前に、様々な教えを説いたのか?」、少し難しくいえば、「なぜ声聞・縁覚・菩薩(これを三乗といいますが)のなぜ三乗という3つの修行者のコースを作ったのか、その理由を明かすことが、この喩えの主旨なんです。

つまり、「三草二木のように、聞く側に、それぞれの性格や能力の違いがあるので、声聞・縁覚・菩薩というそれぞれの修行コースを作ったけれども、しかし、最終的には法華経という一仏乗の教えによって、すべての人々を成仏させるんだ」、そこに、この三草二木の喩えの主題があるんです。

このことを、私たち「信者の視点」で申しあげてみましょう。

私たち浄風会のご信者も、皆さん個性豊かな方が、たくさん居られます。同じ法華経・御題目の教えをいただいていますが、なかには明るい人や楽しい人が居ます。

そうかと思うと、どちらかといえば大人しくて、真面目な人も居ます。また、お酒が好きな人も居れば、下戸の人も居る。
いま申し上げましたのは一例ですが、いろいろな方が居ます。

そういう、いろいろな人たちで構成されているのが浄風会という教団です。
ですから信心の深い方も居れば、まだ初心の方もいる。教学に詳しい方も居れば、よくわからないという方も居ます。

このように、それぞれに違いがあっても、「それぞれが、このお題目を弘める浄風会の仲間であり、そして最終的には誰一人、漏れることなく、全員がこのお題目で救われるんだ」、そういう点で皆が1つになる。そこが大事なんです。
それがなければ、バラバラの人が集まった、なんかの同好会で終わってしまうんです。

ある方が、昔、私にこういう話をしてくれたことがあります。
「腕時計というものは、1つの中に数百の歯車が関わり合って1つのメカ・機械として機能している。もしその歯車の1つでも不備が生じれば、時計全体が止まってしまうんだよ」、そう教えてくれました。

この話を私たちに喩えるならば、大きい歯車の方も居れば、小さい歯車の方も居ます。しかし、すべての歯車が、それぞれの役割を担って、浄風会という教団を動かしている。誰一人として欠けてはいけない仲間なんだ、ということになるかと思います。

この浄風会という素晴らしい教団も、ご信者一人ひとり皆、個性があり、性格も違います。

「あの人は何々だからダメ」とか、「あの人は私と性格が合わないからダメ」といったような、そういう好き嫌いはいったん置いておいて、「全員が素晴らしいお題目に包まれているご信者同士なんだ、仲間なんだ」、その一点で、一つになっていくことが大切と思います。

一人ひとりの個性を大切にしながら、同時に全体として力を十分発揮できる、そういう理想的な教団を目指して、これからもお互い様に、努力をしてまいりましょう。

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