12月
2025年
お題目とのご縁を結ぶ
お題目のご縁を結ぶ機会は、日常のいろいろなところにあるのですね。
ようやく秋がきたと思ったら、急に寒くなってきました。
皆さま、気温の変化に十分注意して、お身体を大切にしていただきたいと思います。
さて、今年の夏を振り返ると、地球温暖化の影響を受け、世界各地に極端な気象現象が起きました。気候変動による自然災害の増加もそうですが、急速に進む少子高齢化と人口減少は、日本の危機的課題となっています。
経済の低迷や物価。高騰など生活に不安がよぎります。
しかし、こうしてご信者の皆さまと心を結びなが、らお題目をお唱えし、世界の平和、人々の安穏を祈り、御法様と心が結ばれていることを思うと、安心と感謝の心に包まれていきます。
不安定な社会に生きる私たちは、不安定です。だからこそ御法様の揺るぎなく絶え間なく降り注ぐ慈悲と心を結ぶ、 日々のお看経が何よりも重要だと感じます
さて、今日は仕事を通して私が出会えた方についてお話しいたします。私は看護師の仕事をしています。 今年に入り介護施設で働く20代のミャンマー人の女性と出会いました。彼女は特定技能という在留資格をもち、日本の少子高齢化、人口減少に伴う人手不足の深刻な介護職の担い手として働き、日本の高齢者に明るく優しく接してくれています。
入職されて間もない3月28日、ミャンマーに大地震が起きました。家屋の倒壊によりたくさんの方が被害に遭われました。
彼女の家族や家は無事でしたが、母国を心配しながら日本の施設で働く不安気彼女の姿を見て私は「つらいですよね。一緒に祈ります」と声をかけました。
そこからよく会話をするようになり、彼女は覚えたての日本語で、ときにはスマホの写真や翻訳機能を使い、家族のことやミャンマーの内戦の状況、将来の目標などを教えてくれました。
また、ミャンマーの国民の約九割が仏教徒で、彼女も仏像に祈り、毎日瞑想ををしていると話してくれました。私も仏教徒であることを伝え、スマホで浄風会のホームページを見てもらいました。
少子高齢化による問題を抱えた日本人を助けに来てくれた、彼女に感謝しています。
これからも彼女を敬い思いやりをもって、時間をかけて信頼関係を築いていきたいと思います。そして、いつか浄風会のお参詣にお誘いし日蓮聖人の南無妙法蓮華経のお題目を聴いていただき、お題目とのご縁が結べるようご祈願しています。
私たちご信者の「ありがとうございます」のご挨拶は、お題目にお出合いできたことを、お互いに喜びあう意味があります。
日々のお看経を重ねてお題目を唱えることによって心が潤い、安心感や感謝が、生まれるのは御法様の絶え間なく流れる大慈悲と結ばれるからです。
なんと尊くありがたいことでしょう。
『妙法蓮華経』の随喜功徳品には、法華経の教えを聞いて得た感激が次々に伝えられ、最後の五〇番目にそれを聞いた人のほんの微かな喜びでさえ、その功徳はたいへんすばらしいものであると説かれています。 お題目を唱え、教えを聞いて「ありがたい」と思い、ほんのわずかでも心が動いたら、家族や知人に自分の言葉で表現していきましょう。
最後に、日扇大徳のお教歌をご紹介します。
「嬉しさを忘れぬ人ぞ世の中の 人に勧めて法を弘むる」