今月の教え

3

2026

ミツバチに倣う

ミツバチは、その短い一生をかけ蜂蜜を集めます。私たちの一生で何ができるか考えてみましょう。

先日、岩手に住んでいます知人から、ハチミツを2瓶、頂きました。私が講師という、「喉を使う仕事」をしていることを知っていますので、毎年送ってくださるんです。
そのハチミツのお陰で、喉もとても調子がよく、順調に仕事を続けることができています。とても、ありがたいなぁと思っております。

ところでそのハチミツですが、先日クイズ番組で、こういう問題が出されました。

「スズメバチも、ハチミツを作るのかどうか?」

そういう問題です。皆さんでしたらどうお答えになりますでしょうか? 「スズメバチも、ハチミツを作るのかどうか?」、答えは「NO」です。ハチミツは蜜蜂だけが作るんですね。

ではその蜜蜂ですが、蜜蜂の一生って、だいたいどのくらいの長さか、皆さんご存知でしょうか?
ネットで調べてみましたところ、働きバチは、長くてもだいたい3カ月くらいしか生きないそうです。

そしてそのネットの記事には、こんなことも書かれていました。

「1匹の蜜蜂は、一生かけて、どのくらいの量のハチミツを作るのか?」

皆さんどう思われるでしょうか。

その答えですが、実は、蜜蜂が一生かけて作るハチミツの量は、なんと、スプーン一杯程度だそうです。少ないんです。

私がそのハチミツを頂く時は、大きなスプーンで2、3杯を口に入れていますが、その1回で、いったい何匹の、蜜蜂たちの、一生に亘る努力をいただいているのか。そう思いますと、本当にありがたく、蜜蜂たちに感謝しなくてはいけないなぁと、その記事を読んで思いました。

ご法門の本題に入りますが、日蓮御聖人は『諸法実相抄』という御書に、このように仰っています。

「日蓮一人、はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と、次第に唱へつたふるなり」
(最初は、日蓮一人が南無妙法蓮華経と唱え始めたけれども、それが二人、三人、そして百人と、次第に唱え伝わるようになってきた)

そういう内容です。さきほどのお看経では、皆でお題目を、お唱えいたしましたけれども、このお題目も、最初は御聖人たったお一人から始まったんですね。

それが800年近く経った現在、御聖人をはじめ、多くの先人たちのご努力のお陰で、仏様の慈悲の結晶であるお題目を、みんなでお唱えすることができるようになりました。
もし、御聖人がお出ましにならなかったなら、このお題目をお唱えすることはできないんです。

仏教というものは修行が付き物です。「仏道修行」と言います。この修行というのは大きく分けますと、「坐禅」系と「唱える」系の、2つに分けることができます。坐禅というのは、座って瞑想する修行です。唱える系というのは、南無阿弥陀仏や、あるいは私たちの南無妙法蓮華経です。私はありがたいなぁと思うのは、お題目ですとご回向ができます。つくづく「お題目でよかったなぁ」と思います。

80億という人口から見ましたら、まだまだお題目のご信心をする人は多くはありません。しかし、いまの日本で、南無妙法蓮華経というお題目を、一度も耳にしたことがないという方も、いないのではないかと思います。
そこまで広まったお題目も、初めは日蓮御聖人たったお一人からスタートしました。ほんとうに有難いことであります。

ただ、私たちは「素晴らしいなぁ・・・」と、有難がっているだけで、いいのでしょうか?

さきほど祈願文の中で、「弘通広宣ならしめ給え」、とお導師が言上くださいました。「御弘通が行われて、広宣流布が叶いますように」という意味ですが、当然のことながら、何もしないで、放っておいて、自然に広宣流布がなるわけではありません。

やはり、私たち一人ひとりが、御法様の手足となって、自分の身うちや友人・知人に、お伝えしていくことをこころがける。前席にもありましたが、そうしないと、そこでこの尊い教えが途絶えてしまうのです。

そうは言うものの、お教化は簡単ではありません。そのことは私も痛いほどわかっています。

先日、こんな経験をいたしました。ずいぶん前に、私はある友人をお教化いたしました。その人は、御本尊も拝受し、お題目中心の生活を行うまでに至りました。

しかしその人から、「自分は今、誓文の“無始已来謗法罪障消滅”とお唱えすることができない。この御文はとてもキツく感じるんだ・・・」。そう言われたんです。私はとてもショックでした。いまは、少し様子見をしている状況です。なんとかまた、ご信心に戻ってきてほしいと思っています。

いま友人の例を申し上げましたが、お題目を一生かけてお持ちし・続ける、そういうご信者を育てることは簡単ではないんですね。

私たちは、御聖人や、あるいは門流の先師たちのように、多くの人をご信者にすることはできません。冒頭で、一匹の蜜蜂が、一生かけて、たったスプーン一杯のハチミツを作るというお話をいたしました。

蜜蜂に比べましたら、私たち人間は70年、80年と長い寿命がありますけれども、しかしこれも、仏様の五百億塵点劫という寿命から見ましたら、蜜蜂とほとんど変わりません。とても短い人生です。

蜜蜂が短い期間ですが、懸命に働いて、誰かの役に立つハチミツを作るのと同じように、私たちも一生かけて、一人でも二人でも、ほんの僅かであっても、一緒にご信心の道を歩む、仲間を作っていく。そのことが、大切だと思います。
お互いに明るく、前を向いて、頑張って参りましょう。

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